アメリカの消費税(売上税):州別の税率と日本から販売するときのルール
アメリカには国の消費税がありません。かわりに州と市・郡が「売上税(セールスタックス、sales tax)」をかけます。 州の税率は0%〜7.25%で、地方税を足した平均は州によって0%〜10.13%です。日本のような全国一律の税率はなく、税額は商品の届け先の住所で決まります。値札は税抜きで、税はレジや決済画面で足されます。
| アメリカの消費税のポイント(2026年) | 内容 |
|---|---|
| 国の消費税 | なし |
| 州の税率 | 0%〜7.25%(最も高いのはカリフォルニア州) |
| 州+地方の平均 | 最も高いのはルイジアナ州の10.13%。ニューヨーク市は8.875% |
| 売上税のない州 | アラスカ、デラウェア、モンタナ、ニューハンプシャー、オレゴン |
| 価格の表示 | 税抜き。税は会計時に加算 |
| 日本の事業者の義務 | 州への年間売上が基準(多くは10万ドル)を超えたら、その州で登録して徴収 |
| Amazon・eBay・Etsyでの販売 | マーケットプレイスが徴収・納付 |
税率はTax Foundation(2026年7月1日時点)のデータです。ドル建ての税額を手早く計算するなら、売上税計算ツール(英語)が使えます。
まとめ: 旅行や買い物で知りたいのは、届け先や店のある州・市の税率です。日本からアメリカに販売する事業者にとって大事なのは、州ごとの売上の基準です。Amazonなどのマーケットプレイスでの販売はプラットフォームが税を納めます。自社のネットショップでの売上が州の基準を超えたら、その州で登録して税を徴収する必要があります。
州別の税率一覧
Section titled “州別の税率一覧”「州の税率」は州全体でかかる税率、「地方税込みの平均」は市・郡などの地方税を含めた人口加重の平均です。実際の税率は届け先の住所によって平均より高くも低くもなります。「登録基準」は、州外(日本を含む)の事業者が、その州で売上税を徴収しなければならなくなる年間売上です。
| 州 | 州の税率 | 地方税込みの平均 | 登録基準(年間売上) |
|---|---|---|---|
| アーカンソー(AR) | 6.5% | 9.48% | 10万ドル |
| アイオワ(IA) | 6% | 6.94% | 10万ドル |
| アイダホ(ID) | 6% | 6.03% | 10万ドル |
| アラスカ(AK) | 0% | 1.82% | 10万ドル |
| アラバマ(AL) | 4% | 9.46% | 25万ドル |
| アリゾナ(AZ) | 5.6% | 8.54% | 10万ドル |
| イリノイ(IL) | 6.25% | 8.98% | 10万ドル |
| インディアナ(IN) | 7% | 7% | 10万ドル |
| ウィスコンシン(WI) | 5% | 5.72% | 10万ドル |
| ウェストバージニア(WV) | 6% | 6.6% | 10万ドル |
| オクラホマ(OK) | 4.5% | 9.06% | 10万ドル |
| オハイオ(OH) | 5.75% | 7.29% | 10万ドル |
| オレゴン(OR) | 0% | 0% | —(売上税なし) |
| カリフォルニア(CA) | 7.25% | 9.03% | 50万ドル |
| カンザス(KS) | 6.5% | 8.71% | 10万ドル |
| ケンタッキー(KY) | 6% | 6% | 10万ドル |
| コネチカット(CT) | 6.35% | 6.35% | 10万ドルかつ200件 |
| コロラド(CO) | 2.9% | 7.89% | 10万ドル |
| サウスカロライナ(SC) | 6% | 7.49% | 10万ドル |
| サウスダコタ(SD) | 4.2% | 6.11% | 10万ドル |
| ジョージア(GA) | 4% | 7.56% | 10万ドル |
| テキサス(TX) | 6.25% | 8.2% | 50万ドル |
| テネシー(TN) | 7% | 9.61% | 10万ドル |
| デラウェア(DE) | 0% | 0% | —(売上税なし) |
| ニュージャージー(NJ) | 6.625% | 6.6% | 10万ドル |
| ニューハンプシャー(NH) | 0% | 0% | —(売上税なし) |
| ニューメキシコ(NM) | 4.875% | 7.68% | 10万ドル |
| ニューヨーク(NY) | 4% | 8.54% | 50万ドルかつ100件 |
| ネバダ(NV) | 6.85% | 8.24% | 10万ドル |
| ネブラスカ(NE) | 5.5% | 6.98% | 10万ドル |
| ノースカロライナ(NC) | 4.75% | 7.1% | 10万ドル |
| ノースダコタ(ND) | 5% | 7.09% | 10万ドル |
| バージニア(VA) | 4.3% | 5.77% | 10万ドル |
| バーモント(VT) | 6% | 6.43% | 10万ドル |
| ハワイ(HI) | 4% | 4.5% | 10万ドル |
| フロリダ(FL) | 6% | 6.98% | 10万ドル |
| ペンシルベニア(PA) | 6% | 6.34% | 10万ドル |
| マサチューセッツ(MA) | 6.25% | 6.25% | 10万ドル |
| ミシガン(MI) | 6% | 6% | 10万ドル |
| ミシシッピ(MS) | 7% | 7.06% | 25万ドル |
| ミズーリ(MO) | 4.225% | 8.44% | 10万ドル |
| ミネソタ(MN) | 6.875% | 8.14% | 10万ドル |
| メイン(ME) | 5.5% | 5.5% | 10万ドル |
| メリーランド(MD) | 6% | 6% | 10万ドル |
| モンタナ(MT) | 0% | 0% | —(売上税なし) |
| ユタ(UT) | 4.85% | 7.42% | 10万ドル |
| ルイジアナ(LA) | 5% | 10.13% | 10万ドル |
| ロードアイランド(RI) | 7% | 7% | 10万ドル |
| ワイオミング(WY) | 4% | 5.39% | 10万ドル |
| ワシントン(WA) | 6.5% | 9.57% | 10万ドル |
| ワシントンD.C.(DC) | 6% | 6% | 10万ドル |
出典:Tax Foundation、2026年7月1日時点。カリフォルニア州の7.25%には州全体で一律の地方税1.25%が含まれます。ユタ州とバージニア州は州の部分だけを示しており、州全体で一律の地方税(1.25%と1%)がこれに加わります。
旅行者に多い都市の税率
Section titled “旅行者に多い都市の税率”| 都市・地域 | 税率 | メモ |
|---|---|---|
| ニューヨーク市 | 8.875% | 州4% + 市・地区の税 |
| カリフォルニア州(ロサンゼルス、サンフランシスコなど) | 平均9.03% | 州7.25%に市・郡の税が加わる |
| ハワイ(ホノルルなど) | 4.5% | 4%の一般消費税(GET)+ 郡の0.5%。価格への転嫁は最大4.712% |
| オレゴン州(ポートランドなど) | 0% | 売上税なし |
| グアム | 売上税なし | 事業者に総売上税(Business Privilege Tax)がかかる |
売上税の計算方法
Section titled “売上税の計算方法”計算は「税抜き価格 × 税率」です。
- ニューヨーク市で100ドルの買い物: 100ドル × 8.875% = 8.88ドル。支払いは108.88ドル
- オレゴン州ポートランドで100ドルの買い物: 売上税なし。支払いは100ドル
- ハワイで100ドルの買い物: 100ドル × 4.712% = 4.71ドル(転嫁の上限で請求された場合)。支払いは104.71ドル
税込みの金額から税抜き価格を出すときは、「1 + 税率」で割ります。ニューヨーク市で108.88ドル払ったなら、108.88 ÷ 1.08875 = 100.00ドルが税抜き価格です。
食料品や衣料品は、州によって税率が下がるか非課税になります。たとえばニューヨーク州では110ドル未満の衣類や靴は州の税が非課税で、ペンシルベニア州やニュージャージー州ではほとんどの衣類が非課税です。
日本からアメリカに販売する事業者のルール
Section titled “日本からアメリカに販売する事業者のルール”経済的ネクサス:海外の事業者にも州の基準が適用される
Section titled “経済的ネクサス:海外の事業者にも州の基準が適用される”2018年の連邦最高裁判決(South Dakota v. Wayfair)以降、州は州内に事務所や倉庫がない事業者にも、売上の金額や件数だけで売上税の徴収を義務づけられるようになりました。これを「経済的ネクサス(economic nexus)」と呼びます。
この基準は、アメリカの事業者と海外の事業者を区別しません。日本の会社でも、テキサス州への年間売上が50万ドルを超えれば、テキサス州で登録して売上税を徴収・納付する義務が生じます。
- 多くの州: 年間売上10万ドル
- カリフォルニア州、テキサス州: 50万ドル
- ニューヨーク州: 50万ドルかつ100件
- アラバマ州、ミシシッピ州: 25万ドル
アーカンソー、ジョージア、ハワイ、ミシガン、ネバダ、ニュージャージー、オハイオなど一部の州は、売上が10万ドル未満でも年間200件の取引で基準に達します。商品単価が安く件数が多いショップは、件数の基準にも注意してください。
Amazon・eBay・Etsyで売る場合
Section titled “Amazon・eBay・Etsyで売る場合”売上税のある全州とワシントンD.C.にはマーケットプレイス・ファシリテーター法があります。Amazon、eBay、Etsy、Walmart、TikTok Shopなどで売れた分は、プラットフォームが購入者から売上税を徴収して州に納めます。マーケットプレイスだけで販売している日本の事業者は、通常、自分で登録・申告する必要はありません。
ただし、多くの州ではマーケットプレイスでの売上も、州の登録基準の計算に含まれます。Amazonでの売上と自社ショップの売上を合わせて、州ごとに管理してください。
AmazonのFBAを使うと、在庫が置かれた州に「物理的なネクサス」が生じることがあります。FBAの在庫と州の登録についてはAmazon FBAとネクサスのガイド(英語)を参照してください。
自社ネットショップ(Shopify・BASEなど)で売る場合
Section titled “自社ネットショップ(Shopify・BASEなど)で売る場合”自社のネットショップでの販売は、あなたが売主です。州の基準を超えたら、次の手順が必要です。
- 州ごとの売上を記録する: 届け先の州ごとに、年間の売上と件数を集計します
- 基準を超えた州で登録する: 州の税務当局でセールスタックス・パーミット(売上税の許可)を取得します
- 決済画面で売上税を徴収する: 届け先の住所に合った税率を設定します(Shopifyの税設定は、登録した州だけで有効にします)
- 申告・納付する: 州が指定する頻度(毎月・四半期・毎年)で申告し、徴収した税を納めます
登録前の売上をさかのぼって請求されることもあるため、基準に近づいたら早めに準備しましょう。アメリカの住所がない場合の登録方法やEINの取得については、海外の事業者向けアメリカ売上税ガイド(英語)で詳しく説明しています。
どちらに当てはまる?
Section titled “どちらに当てはまる?”| あなたの販売方法 | 売上税の徴収 | やること |
|---|---|---|
| Amazon・eBay・Etsyなどのマーケットプレイスだけ | プラットフォームが徴収 | 州ごとの売上を記録しておく |
| 自社ショップ、どの州への売上も基準未満 | 不要 | 州ごとの売上を毎月確認する |
| 自社ショップ、ある州への売上が基準を超えた | 必要(その州で) | その州で登録し、徴収・申告する |
| アメリカの倉庫(FBAや3PL)に在庫がある | 在庫のある州で必要になることがある | 倉庫のある州の登録要否を確認する |
| アメリカの企業向けの卸売(再販用) | 不要の場合が多い | 再販証明書(resale certificate)を受け取って保管する |
例:日本の陶器ブランドがアメリカに販売する場合
Section titled “例:日本の陶器ブランドがアメリカに販売する場合”**有田の陶器ブランド「Kiln & Co.」**は、Shopifyの自社ショップとAmazon.comでアメリカに販売しています。昨年の州ごとの売上はこうでした。
| 州 | 自社ショップ | Amazon | 合計 | 州の基準 | 登録 |
|---|---|---|---|---|---|
| カリフォルニア | 18万ドル | 14万ドル | 32万ドル | 50万ドル | 不要 |
| ニューヨーク | 9万ドル | 6万ドル | 15万ドル | 50万ドルかつ100件 | 不要 |
| ワシントン | 7万ドル | 4万ドル | 11万ドル | 10万ドル | 必要 |
| テキサス | 5万ドル | 8万ドル | 13万ドル | 50万ドル | 不要 |
ワシントン州では自社ショップの売上は7万ドルだけですが、Amazonの4万ドルを合わせると11万ドルになり、基準の10万ドルを超えています。Kiln & Co.はワシントン州で登録し、シアトルに届く自社ショップの注文に売上税(シアトルは2026年時点で10%強)をかけます。Amazonでの販売分は引き続きAmazonが徴収します。カリフォルニア州は売上が一番大きくても、基準が50万ドルなので登録はまだ不要です。
関税と売上税は別物
Section titled “関税と売上税は別物”売上税は州の税、関税は連邦の税で、別々にかかります。アメリカの800ドル以下の少額免税(Section 321)は2025年8月29日からすべての国について停止されており、日本から送る小口の商品にも関税がかかります。詳しくはSection 321のガイド(英語)を参照してください。関税の率は頻繁に変わるため、出荷前に最新の情報を確認してください。
- ヨーロッパの消費税(VAT):国別税率と日本からEUに販売するときのルール
- イギリスの消費税(VAT):税率と日本から販売するときのルール
- VAT番号とは?日本の会社が聞かれたときの答え方
- 州別の売上税ガイド一覧(英語)
- 海外の事業者向けアメリカ売上税ガイド(英語)
- 売上税計算ツール(英語)
よくある質問
Section titled “よくある質問”アメリカの消費税は何%ですか?
Section titled “アメリカの消費税は何%ですか?”アメリカには国の消費税がなく、州と市・郡が売上税(セールスタックス)をかけます。州の税率は0%〜7.25%で、地方税を足した平均は州によって0%〜10.13%です。たとえばニューヨーク市は8.875%、カリフォルニア州の平均は9.03%です。正確な税率は、商品の届け先の住所で決まります。
消費税がない州はありますか?
Section titled “消費税がない州はありますか?”アラスカ、デラウェア、モンタナ、ニューハンプシャー、オレゴンの5州には州の売上税がありません。ただしアラスカでは市や郡が独自の売上税をかけることがあり、平均は1.82%です。
アメリカの値札に消費税が含まれていないのはなぜですか?
Section titled “アメリカの値札に消費税が含まれていないのはなぜですか?”税率が州や市ごとに違い、同じ商品でもどこで売るかで税額が変わるためです。アメリカでは税抜きの価格を表示し、レジやネットショップの決済画面で売上税を足すのが一般的です。
日本からAmazonでアメリカに販売しています。売上税を払う必要はありますか?
Section titled “日本からAmazonでアメリカに販売しています。売上税を払う必要はありますか?”Amazonで売れた分は、通常、自分で納める必要はありません。売上税のある全州とワシントンD.C.にはマーケットプレイス・ファシリテーター法があり、Amazon、eBay、Etsy、Walmartなどが購入者から売上税を徴収して州に納めます。ただし多くの州では、その売上も登録基準の計算に含まれます。
日本から自社のネットショップ(Shopifyなど)で販売する場合、いつ登録が必要ですか?
Section titled “日本から自社のネットショップ(Shopifyなど)で販売する場合、いつ登録が必要ですか?”その州への年間売上が州の基準を超えたときです。多くの州は10万ドル、カリフォルニア州とテキサス州は50万ドル、ニューヨーク州は50万ドルかつ100件です。基準を超えたら、その州で売上税の許可(セールスタックス・パーミット)を取り、購入者から税を徴収して申告します。日本の事業者でも、アメリカの事業者と同じ基準が適用されます。
ハワイの消費税は何%ですか?
Section titled “ハワイの消費税は何%ですか?”ハワイには一般的な売上税がなく、事業者に4%の一般消費税(GET)がかかり、各郡が0.5%を上乗せします。合計は4.5%です。事業者が税を価格に転嫁する場合、最大4.712%まで請求できます。